中小企業の業務デジタル化に活用できる「IT導入補助金」について

中小企業の業務デジタル化に活用できる「IT導入補助金」について

生産性向上や労働時間削減などの働き方改革を進めるにあたり、業務デジタル化(DX=デジタルトランスフォーメーション)はとても重要です。事業者は自社の課題やニーズに合ったITツールを導入することで、限られたリソースにおいて最大のパフォーマンスを発揮できるでしょう。今回は、中小企業や小規模事業者等がDXを推進する際に活用したい「IT導入補助金」について紹介します。

そもそも「補助金」とは?

中小企業や小規模事業者等は、様々な課題やニーズに対して、限られた予算・人材で取り組むことが求められます。そこで、国や自治体の目指す姿(政策目標)に合わせて募集されている補助金を、課題解決に必要な資金の一部に充てることができます。

事業者は募集されている補助金の目的や趣旨を確認し、自社の事業とマッチする補助金に申請が可能。補助の有無や金額については審査があり、申請したからといって必ずしも受け取れるとは限りません。また、原則として後払いとなり、返済は不要です。

ちなみに、近い制度のひとつ「助成金」は、主に厚生労働省が雇用促進・人材教育を目的として実施し、返済不要で先着順にて受け付けています。また、金融機関から受けることができる「融資」には審査があり、返済も必要です。

事業者のDX推進を後押しする「IT導入補助金」

経済産業省は、文書や手続きを電子化して簡単・便利にするのみならず、蓄積されたデータを政策立案に役立てることで、国民と行政の生産性向上を目指しています。このDX推進という目標を達成するため、国は中小企業や小規模事業者等のITツール導入に必要な資金の一部をサポートする「IT導入補助金」を実施しているのです。

補助金は、飲食、宿泊、小売・卸、運輸、医療、介護、保育等のサービス業の他、製造業や建設業等の中小企業、個人事業者が申請可能です。資本金や従業員数の制限があるため、詳しくはIT導入補助金2021のWebサイトをご確認ください。

補助の対象となるITツールの具体例

DX推進を後押しするITツールとは、具体的にどのようなものを指すのでしょうか。IT導入補助金には通常枠(A・B類型)と、2021年に新設された低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D類型)がありますので、まずは通常枠について説明します。

通常枠は、バックオフィス業務の効率化やデータを活用した顧客獲得など、生産性向上に繋がるITツールが対象になり、当制度へ登録し認可されたサービスに限り補助を受けることができます。A・B類型の違いは補助金の申請額で、A類型は「30万円以上150万円未満」、B類型は「150万円以上450万円以内」です。

ITツールの一例
  • 販売、顧客管理システム
  • 給与、勤怠管理システム
  • 電子カルテシステム
  • RPA(単純な事務作業の自動化など)

補助対象となるのは、ソフトウェアの費用、クラウドツールの利用費(1年間)、初期設定やカスタマイズなど導入関連費です。まずは近くのよろず支援拠点、商工会議所、ITコーディネーターなどの支援機関で経営課題について相談し、自社の課題解決にマッチしたITツール導入を検討するのがよいでしょう。

2021年から始まった「低感染リスク型ビジネス枠」

新型コロナ禍対策の特別枠として追加された低感染リスク型ビジネス枠は、生産性向上とともに感染リスクを低減できる「業務形態の非対面化」に取り組む事業者へ、通常枠よりも補助率を引き上げて(通常枠:1/2以内、特別枠:2/3以内)優先的に支援されます。

C類型(低感染リスク型ビジネス類型)は、販売管理×労務など複数の業務プロセスを非対面化・連携し、生産性向上を図るITツールの導入を支援。申請額は30万~450万円です。D類型(テレワーク対応類型)は、生産性向上のために、テレワーク環境整備に寄与するクラウド型ITツールの導入を支援。補助金の申請額は30万~150万円です。共に非対面化ツールの導入が必須となり、D類型はクラウド対応されていることも条件になります。

ITツールの一例
  • 遠隔注文システムとキャッシュレス決済システムを同時導入
  • クラウド型勤怠管理システム
  • web会議システム

まとめ

DXの知見がない事業者も、IT導入補助金の仕組みを利用して支援機関に相談し、課題解決へ導くITツールを導入することで、経営力の向上・強化を図ることができます。また、補助上限は450万円と高額なため、中小企業・小規模事業者にとってハードルが高い高機能ITツールの導入も検討可能になるでしょう。

【参考】
経済産業省ミラサポplus「IT導入補助金とは」
https://mirasapo-plus.go.jp/subsidy/guide/
一般社団法人 サービスデザイン推進協議会「IT導入補助金」
https://www.it-hojo.jp/